明日の君と
桜の花も満開になり、春のポカポカとした陽気に世の中が浮き足立っているように思う。
彼と出会ったのも、こんな春だったなぁ。
私は城石一也のことを思い出した。
もう、7年もたつのね。
一也と出会って、一也と恋をして、そして一也を永遠に失って。
一也の優しい笑顔が今でも脳裏にハッキリと蘇る。
思い出の中の一也の笑顔は、今でも私の涙腺を刺激して止まない。
どうしてなの?
どうして、突然、いなくなっちゃったの?
なんで、死んじゃったの、一也。
どうして、あの日に、アナタはそこにいたの?
なんで、アナタを轢いたトラックはアナタに気付かなかったの?
どうして、なにも言わないで、私だけをおいて、逝ってしまったの?
一也?
全て過去に起きてしまったことに、どうして、なんで、って疑問をぶつけても、事例に対しての結果としての答えは返ってくるけど、現在あるものに変化を与えることは決してない。
私はその事を理解しているつもりではいる。
どんなに問いかけても一也が帰ってくることは、決してない。
だけど、無駄なことだってわかっていても、私の感情はそうはならない。
一也との楽しく幸せだった思い出の全てが余計に彼との別れの悲しさを増幅させる。
もう、7年もたつのに、ううん、本当はまだ7年しか経ってないからかもしれない。