辛辣ジレンマ
「はぁーあ。俺は家まで送ったり、そーいうのしたいのに」
「そーいうのって何?私が良いって言ってんだから良いじゃんか」
「…いや、だからさ。そーいう、付き合ってるっぽいことしたいの」
「っぽいってか付き合ってんだから良いじゃん」
「あーもう!分かった!分かりましたよも~…」
「ならよろしい」
二人は付き合うどーこーの話の前に素手に付き合う前と変わらないやり取りをしている。
だけど、それがとても自然なのでよしとしましょう。
そうして二人が駅に着くと、募金箱を持った小学生くらいの子がズラリと並んでいた。