辛辣ジレンマ


「おっ、賑やかだなー」

「ね。うるさいね」

「俺小銭持ってたっけな」

「…」

「よし、入れてくる。お前は?」

「私は良いよ」

「そ?あー、小銭ないとか?」

「いや、寧ろ小銭しかないけどさ。つか、あのガキ達うるさいから早く行こーよ」

「いやいやいやいや、ガキって!募金お願いして頑張ってるんだろ?」

「…てかさ、あんたあの募金先何か見たの?」

「え?みたみた。教科書買えない貧しい国に買ってあげるんだろー?偉いよな~あの子達」

「バカか。私らの国に向けてなら百歩譲って分かるよ。だがな、こちとら他国に媚びうるほど裕福じゃないんだよ。税金取られるしな」

「…んでも、あの子達頑張ってるし、あげたくなるじゃん?」

「親にやらされてるだけでしょ。違っても大声出すのが楽しいバカな暇人」

「教科書あげたい!!って人に失礼でしょ」

「それこそ偽善ってやつじゃない?本当にあげたいなら自分の金でやれっての。人様から取ろうなんておこがましい…」

「皆が協力してこそ!日本を1つに!みたいな…?」

「ハッ…おめでたいねぇ」

「うー…悲しいぜ…」




やっぱり二人は変わらない。

いや、彼女が変わらないのでした。



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