クリスマスにフランちゃんがやって来た

「分かりました。
いいですよ・・・

それで、何時から何時までですか?」



「23、24、25日の3日間で、16時から20時まで。
いい?
時給は1000円で。

で、できるだけ可愛らしいしぐさのパンダを演じてほしい」


どうせ、クリスマスの予定は空白だった。
同じ大学の一つ上の純平とつき合っていたが、2週間前に別れた。
少しだけ気になる女の子ができた純平は、そういう気持ちでは私とはもうつき合えないと言った。

私は、純平の事を本当に愛していた・・・

でも、泣いてすがることもせずに、私達はあっさりと別れた。

それからの私は自暴自棄だった。

だから、ちょうどピッタリの仕事かもしれない・・・
私の人格を捨てて、可愛いパンダになりきろう・・・


「分かりました。
可愛いパンダになりきります」



それから、数週間・・・

とうとう、23日が来てしまった・・・


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