クリスマスにフランちゃんがやって来た

12月25日 ~16時から20時~



昨日ほどの忙しさはなかったが、それでもクリスマスケーキは飛ぶように売れている。
店長は、たまに外へ出てきて、フランちゃんを抱きしめた。


「フランちゃんのおかげだよ。
ありがとう」


店長は、本当にフランちゃんだと思い込んでいるようで、そこに入っている佐藤胡桃のことは忘れていた。
だって、佐藤胡桃を、店長がハグするなんてあり得ないから・・・

しかし、さすがに、クリスマス最終日にもなれば、19時以降のケーキの売れ行きがグンと落ちた。
最後の10個が中々売れない。
フランちゃんは、声を張り上げて、道行く人に声をかけた。


すると、また、純平が現れた。
そして、また、いつものベンチに座り、こちらをうかがっている。

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