ラブ&ロイド
一ヶ月の彼氏
「じゃあ、転校生を紹介します」
担任の斎遠守(サイトオ・マモル)先生が、教卓の前で言う。皆がそわそわしだす中、私・三鷹結(ミタカ・ユイ)は一人、ついに来たかと身構えていた。
「五嶋颯(ゴトウ・ハヤテ)君です」
教室に入って来たのは…ちゃんと制服を着て、ちゃんと髪形を整えた、男子高校生としての颯だった。
「ふぅ…」
一番窓際に座っていた私は、窓を曇らせそうなほど安堵のため息をついた。
「ヤバい、超かっこいいんだけど…」
「クール系って感じ?」
「そうそう! 結もそう思うでしょ?」
「えっ? …あ、うん…」
颯のルックスにテンションが上がるクラスメート達に突然話を振られて戸惑ってしまった私は、見とれるフリをして颯を観察した。
「…初めまして、五嶋颯です。よろしくお願いします」
挨拶も、私なんかよりずっと上手だ。緊張なんて、一切見られなかった。
「五嶋君は…じゃあ、そこの席に座ってくれる?」
斎遠先生が指定したのは…私の左の席だった。…よし、ここまでは台本通り…。
「ちょっと、結の隣じゃん!」
「結、羨ましすぎ~…」
「ねぇ、ちょっとだけ席交代してよ!」
そう言う三人も、それぞれ私の前・斜め左前・後ろに座っているのだが、隣というのは何か特別な力を持っているらしく、ささやき声ながらも私に懇願してくる。
「三人ともそれなりに近いんだからいいじゃんか…」
私はあくまでも目的を達成するため、席の移動を拒否した。
…では、その目的とは何なのか。話は、昨日の夜に遡る…。
担任の斎遠守(サイトオ・マモル)先生が、教卓の前で言う。皆がそわそわしだす中、私・三鷹結(ミタカ・ユイ)は一人、ついに来たかと身構えていた。
「五嶋颯(ゴトウ・ハヤテ)君です」
教室に入って来たのは…ちゃんと制服を着て、ちゃんと髪形を整えた、男子高校生としての颯だった。
「ふぅ…」
一番窓際に座っていた私は、窓を曇らせそうなほど安堵のため息をついた。
「ヤバい、超かっこいいんだけど…」
「クール系って感じ?」
「そうそう! 結もそう思うでしょ?」
「えっ? …あ、うん…」
颯のルックスにテンションが上がるクラスメート達に突然話を振られて戸惑ってしまった私は、見とれるフリをして颯を観察した。
「…初めまして、五嶋颯です。よろしくお願いします」
挨拶も、私なんかよりずっと上手だ。緊張なんて、一切見られなかった。
「五嶋君は…じゃあ、そこの席に座ってくれる?」
斎遠先生が指定したのは…私の左の席だった。…よし、ここまでは台本通り…。
「ちょっと、結の隣じゃん!」
「結、羨ましすぎ~…」
「ねぇ、ちょっとだけ席交代してよ!」
そう言う三人も、それぞれ私の前・斜め左前・後ろに座っているのだが、隣というのは何か特別な力を持っているらしく、ささやき声ながらも私に懇願してくる。
「三人ともそれなりに近いんだからいいじゃんか…」
私はあくまでも目的を達成するため、席の移動を拒否した。
…では、その目的とは何なのか。話は、昨日の夜に遡る…。