ラブ&ロイド
そして迎えた、夜八時。
「ただいま~」
颯の言う通り、お父さんが帰って来た。
「お帰り~」
もう晩ご飯も食べ終わっていた私は、ソファに座ってテレビを見ながらお父さんを迎えた。
「…あのね、お父さん」
ネクタイを緩めるお父さんに話しかける。
「どうした、改まって?」
「えっと…その…」
私が言葉に詰まっていると、颯が後ろで言った。
「俺が研究所に戻るのが嫌だそうです」
「…そうなのか、結?」
「…うん…」
「どうしちゃったのよ、突然?」
食器を洗っていたお母さんも手を止め、話に参加する。
「…何て言ったらいいのかよく分からないんだけど、颯とずっと一緒に過ごしてきて、そのうちにだんだん颯と離れたくないって思ってきて…。それで、頼みたいことがあるんだけど…」
「何だ?」
小さかったあの頃と同じように、頼んでみた。今なら、大丈夫かもしれない。無理だったら無理で…きっとそれまでだ。そうならないように。瞬きと同時に、私は祈った。
「…明日、日曜日でしょ? 研究所、連れて行ってくれない? …直談判したいの。颯を、返したくないって」
「…」
お父さんはしばらく考えた後、再び口を開き、こう言った。
「ただいま~」
颯の言う通り、お父さんが帰って来た。
「お帰り~」
もう晩ご飯も食べ終わっていた私は、ソファに座ってテレビを見ながらお父さんを迎えた。
「…あのね、お父さん」
ネクタイを緩めるお父さんに話しかける。
「どうした、改まって?」
「えっと…その…」
私が言葉に詰まっていると、颯が後ろで言った。
「俺が研究所に戻るのが嫌だそうです」
「…そうなのか、結?」
「…うん…」
「どうしちゃったのよ、突然?」
食器を洗っていたお母さんも手を止め、話に参加する。
「…何て言ったらいいのかよく分からないんだけど、颯とずっと一緒に過ごしてきて、そのうちにだんだん颯と離れたくないって思ってきて…。それで、頼みたいことがあるんだけど…」
「何だ?」
小さかったあの頃と同じように、頼んでみた。今なら、大丈夫かもしれない。無理だったら無理で…きっとそれまでだ。そうならないように。瞬きと同時に、私は祈った。
「…明日、日曜日でしょ? 研究所、連れて行ってくれない? …直談判したいの。颯を、返したくないって」
「…」
お父さんはしばらく考えた後、再び口を開き、こう言った。