ラブ&ロイド
「…上がったか」
「うん」
アンドロイドには自動浄化装置というものがあるらしく、お風呂には入らなくていいらしい。…本当は、夜中に入っているのかもしれないけれど。夜中にうっすら聞こえるシャワーの音は…多分、仕事で遅くなることが多いお父さんがお風呂に入っているんだろう。
「俺が五嶋颯として作られたのは、二か月前のことだ」
ベッドに座ったまま、颯は話を始めた。
「作られてすぐ、この世界のあらゆる知識を頭に叩き込まれた。それに一か月を要した」
颯の口調は淡々としていた。だけど、それはどこかわざとらしく聞こえた。
「その後は人間との会話テストをして、そして結の所に来た」
そこから先は、私もよく知っている。
「…どうして俺がここに来たのか、分かるか?」
メガネをくいっと上げて、颯は問いかけた。
「お父さんが開発に関わっていたから…じゃないの?」
「ああ。だが、実際に俺と関わったのは会話テストの段階からなんだ。だから厳密に言えば、開発自体に直接関わった、というわけではない」
話の内容が掴めなかった。だけど、颯は必ず種明かしをしてくれる。そう信じていたから、話を聞いていられた。
「俺を実際に作りだしたのは、今日会ったあの六角部長だ」
「…あの人が?」
「ああ。そしてその指揮を執ったのが、研究所の所長」
そしてここから、種明かしが始まるのだった。
「所長は…結もよく知る人だ」
「うん」
アンドロイドには自動浄化装置というものがあるらしく、お風呂には入らなくていいらしい。…本当は、夜中に入っているのかもしれないけれど。夜中にうっすら聞こえるシャワーの音は…多分、仕事で遅くなることが多いお父さんがお風呂に入っているんだろう。
「俺が五嶋颯として作られたのは、二か月前のことだ」
ベッドに座ったまま、颯は話を始めた。
「作られてすぐ、この世界のあらゆる知識を頭に叩き込まれた。それに一か月を要した」
颯の口調は淡々としていた。だけど、それはどこかわざとらしく聞こえた。
「その後は人間との会話テストをして、そして結の所に来た」
そこから先は、私もよく知っている。
「…どうして俺がここに来たのか、分かるか?」
メガネをくいっと上げて、颯は問いかけた。
「お父さんが開発に関わっていたから…じゃないの?」
「ああ。だが、実際に俺と関わったのは会話テストの段階からなんだ。だから厳密に言えば、開発自体に直接関わった、というわけではない」
話の内容が掴めなかった。だけど、颯は必ず種明かしをしてくれる。そう信じていたから、話を聞いていられた。
「俺を実際に作りだしたのは、今日会ったあの六角部長だ」
「…あの人が?」
「ああ。そしてその指揮を執ったのが、研究所の所長」
そしてここから、種明かしが始まるのだった。
「所長は…結もよく知る人だ」