あたし、彼女?





「あの、飛鳥……山寺君、いますか?」



飛鳥の教室について、ドアから顔を覗かしてそう聞く。



うわぁ、なんか緊張しちゃう。




久々だからかなぁ。



それとも彼氏の教室に来てるってことがあたしをドキドキさせてる?



そんなことを考えてると、一人の男の子が寄ってきて



「山寺だっけ……いるけど…呼んでこようか?」



ズイッと顔を近付けて聞いてきた。



「あ、はい。じゃあ、お願いします」



なんか、顔が近い気もするけど……



いるなら早く出してほしいし。



私がそう言って、軽くお辞儀をすると、男の子は顔を赤らめて「わかった」と言って、教室の中へと戻っていった。



……?



今の子……熱でもあったのかな?


顔、赤くなかった?




しばらくして、




「陽菜、教室には来るなって言っただろ」



今朝のまんまの機嫌の飛鳥が出てきて。



ま、まだ怒ってる……!!



あまりの声の低さにびくりと肩が上がった。



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