あたし、彼女？

「はあ……」



ため息をついて、スマホをしまう。



クルリと体の向きを変えて、歩き出そうとしたとき




「飛鳥君」



誰かに呼び止められて、立ち止まった。



「……なにか用？」



あくまでも冷静に、苛立ってる事を悟られないように、声の主……元居 愛梨沙（もとい ありさ）に振り返り様にそう聞いた。



「なにか用？だなんて、ひどいなぁ。 用がなきゃ、話し掛けちゃいけないの？」



「……いや？そんなことはないけど」



「なら、私が飛鳥君に話しかけても問題ないじゃない。ね？」




まあ、そうだけど。



なんで、今、話しかけてくるかな。



元居は俺と同じクラスの女子で、


俺に告白してきた一人でもある。




もちろん、俺には陽菜がいるから断ったけど………。


こいつだけは、

フラレたにも関わらず、いまだに俺に付きまとってくる。



他の奴等だったら、フラレたら大人しく諦めてくれんのに。



執拗過ぎんだろ。