あたし、彼女?




〝陽菜ちゃん、だっけ? あの子、飛鳥君の彼女なんだよね?〟


〝これは提案なんだけど、私の隣で、私の言うこと聞いてくれたら、あの子にはなにもしないであげる〟



今でもよく覚えてる。



元居の口から、突然出てきたその言葉。



一瞬、何を言い出してくるんだと思ったけど、



〝だけど、もし。
この誘いを断るんだったら……

学年の女子、全員使って、あの子のこといじめちゃうよ? ついでにママやパパに頼んで、人生もろともめちゃくちゃにしちゃうかも〟



〝知ってる? あの子、結構僻まれてんだよ? 私がちょっと報酬だして、頼み事すれば、みーんな、喜んでやってくれるよ〟



続くように言われたその言葉に、


俺はすべてを察した。



元居は不敵な笑みを浮かべたまま、俺に言う。



〝釣り合ってもいないくせに、飛鳥君の彼女だなんて。そんなの、納得いくわけないじゃん。 これは、当然の報いだよ〟



〝ねえ?飛鳥君。 それでもいいの……?〟



挑発なのか、何なのか。



〝あの子を傷つけるのなんて簡単なんだよ? 学校に来れなくさせるのなんて、もっと簡単………離ればなれに、なりたいの……?〟




………っ。




〝ねえ………?飛鳥君。 嫌なら私の隣に、いてくれるよね? 陽菜ちゃんを無視でも後回しにするでもいいの。 ただ、二人でいないで。それだけよ?簡単でしょ?〟



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