あたし、彼女?




もう、「YES」と言うしかなかった。



不適に笑う元居が、悪魔に見えた。



ここで、俺が「NO」と言えば、きっと元居は陽菜をこの学校から追い出すだろう。



どんな手を使ってでも、


俺ではなく、陽菜を傷つけ、陽菜だけを追い込み、


俺と陽菜引き離しにかかるに違いない。




陽菜を傷付けたくない。


陽菜を守りたい。


陽菜に笑っていてほしい。




だけど、そのすべてを……

陽菜のすべてを守るには、
俺が全てを捨てでも、鬼にならなきゃいけないんだ。



陽菜のためなら、


陽菜が笑っていてくれるなら、



俺は、悪魔にでも鬼にでもなる。



魂でもなんでも売ってやる。




だから、




陽菜……ごめん。



ごめんな。




離れてでしか、陽菜を守れない俺を、どうか許してほしい。



……そんな言葉、言えるはずもないんだけど。



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