あたし、彼女?
「不機嫌そうね」
クスリ、と笑う元居の声にハッと我にかえる。
「別に、不機嫌って訳じゃ……」
「ふふふ、約束、守ってくれてるみたいで嬉しい」
当たり前だろ。
破ったりでもしたら、お前、陽菜になにするかわかったもんじゃねえからな。
嫌でも、その約束を守るしか俺には選択肢がないんだよ。
だけど、その約束を守るかわりにだした交換条件。
なんとか頼んで、元居はひとつだけそれを飲んでくれた。
それが、「昼休みは陽菜のところに行かせてほしい」って言うたのみ。
昼休みだけは、陽菜のそばにいられる。
まあ、隙見ては陽菜のところに行ってたけど。
俺が昼休み以外、陽菜と一緒にいられないなんて、耐えられるはずないし。
元居にも気づかれてないようだから、
それだけが俺の救いだった。
なのに、今、その昼休みでさえも邪魔されようとしてる。