あたし、彼女?
あの日、昨日。
早沢に頭を撫でられて、嬉しそうにしてた陽菜。
俺達だけの中庭で、陽菜と早沢が楽しそうに、仲良さげに話しているのを見て、黒い何かが込み上げてくるようだった。
そんな二人の姿を見て、頭に血がのぼって、我を忘れるところだった。
……他の男にそんな笑顔見せんなよ。
……嬉しそうにしてんじゃねえよ。
……陽菜に、気安く触れてんじゃねえ。
……なんで、そこに……陽菜の隣に、早沢がいるんだよ。
そこは、俺の場所なのに。
陽菜は、誰にでも隣を許すのか?
悲しくなった。
見ていたくなくて、目をそらして。
その日、俺ははじめて陽菜との約束を破った。