あたし、彼女?
「そうでしょう?ほら、今なら謝るぐらいで許して……」
元居はひきつりながらもそう言ってきたけど………
俺は表情をなくして言う。
「は?なに言ってんの? 俺、いつお前に〝許してほしい〟だなんて言ったっけ」
「なっ………!!」
こんなやつに、許しをこう訳がない。
最初からこうしてればよかったんだ。
「勘違いするなよ? 確かに俺は、陽菜が傷つかない代わりにお前といた」
お前の言う通り、陽菜を後回しにしたり、他の女と一緒にいたりするようにした。
それで、陽菜が守れると思ったから。
もしも、俺がその誘いを断って、陽菜と離れなれるなんてしたくなかった。
「だけど、もう止めた」
「え……」
しゃがみこんで、俺を見上げる元居を冷たくにらみ返し、俺は冷たく言い放つ。
「気付いたんだ。 それじゃあ、陽菜は守れないって」
「………っ」