あたし、彼女?
後ろから伝わってくる体温が堪らなく愛おしく感じる。
「はなさない」とでも言うよな、その力強い包容に、クラリとめまいがした。
「あ…飛鳥…?」
「陽菜………」
腕を握り返しながら、彼を呼ぶあたし。
飛鳥はそれに答えるように、抱き締める腕 強る。
苦しい。
だけど、今はその苦しみでさえも幸せだと思ってしまう。
「お前、なに恥ずい事言ってんだよ」
掠れた声でそう言った飛鳥の声は、どことなく照れたような、上ずったような声だった。
「あんなに好き好き言っちゃって。 こっちのみにもなれって………マジ恥ずいっての」
「っ……い、いるなんて思ってなくて……っ」
さっきの聞かれてた………!!
直球な飛鳥の言葉。
完璧に予想外の反応に、胸が暴れだして落ち着かない。