あたし、彼女?
飛鳥から全てのことを聞き終えたとき、あたしは泣きそうになって、うつむいていた。
そんなあたしを、飛鳥はひどく落ち込んでいると思ったのか、
「ごめん」と何度も言いながら、私を正面から抱き締め直した。
飛鳥のにおいが胸一杯に広がる。
抱き締められたのも久々で、こんな至近距離になるのも、いつぶりだろう。
ただ今は、飛鳥の温もりに包まれる安心感が、何よりあたしを落ち着かせてくれて。
これ以上に、こんな幸せなところがあるだろうかと、また、別の意味で泣きそうになった。
「飛鳥………」
「ん……?」
「ったしも、ごめん……ごめんねぇ」
素直になれなくて、
飛鳥のこと、わかろうとさえしなかった。
だから、こんなにもすれ違ってしまって。
飛鳥をたくさん傷付けた。