あたし、彼女?
「その顔、やべえな」
ふと、唇が離れて、ふっ、と飛鳥の頬が綻んだ。
私の頬もつられるようにして、笑みを作った。
「つーか、お前。ずっと雨ん中いただろ。びしょびしょだぞ」
「あっ、いや…これは」
「ったく。風邪引いたらどうすんだよ」
飛鳥が着ていたブレザーを私の肩にかける。
ふわりと飛鳥の香りが鼻腔をかすめて。
そばにある暖かくて、愛しい温もりに胸がキュンっと締め付けられた。
「陽菜」
「飛鳥…?」
真剣な顔をした飛鳥が、あたしをまっすぐに見つめる。
「俺はもう、お前から離れたりしねえから」
「…………っ!」
「もう泣かせない。傷付けない」
「あす、か……」
「お前を一生守り抜くよ」
まるで、プロポーズみたいだ。
こんな嬉しいこと、他にない。