誰にでも優しい上司に困惑



ん?と言いながら
ずるい顔をしている



ゔっ……



「凛さん、明日いい子でお留守番してるんだよ?お土産買って帰るから」



そう言って
私の耳にちゅっ、としてきた



その瞬間、身体が熱くなる
何をしたのかすぐわかる
耳を手で覆い、大智さんを見る



『か、からかうのはやめてください』


大智さんのスキンシップが
最近増えたのはわかっていた

けど、それは恋ではない
ただ遊んでいるだけだ


私を笑わそうとでもしてるんだろうな




「凛さん、顔真っ赤」


そう言いながら、私の頭をクシャっとして、「入札の打ち合わせ行ってくる」と行って、出かけて行った



事務所に一人
この数ヶ月の出来事、
これからのことを考えていた



松川さんのこと
篠原さんのことが片付けば
大智さんとの同居も解消される


毎月家賃だけ払っている住んでいたアパートに戻るだろう
けど、これを機に引っ越すのもいいだろう


……仕事、辞めようかな
同居を解消して
何事もなかったように
大智さんと仕事が出来るか不安だった

何よりも、大智さんのことを
好きになりそうで、嫌だった
< 102 / 137 >

この作品をシェア

pagetop