誰にでも優しい上司に困惑
「どうも、失礼しまーす」
そんな声が玄関から聞こえ
大智さんがリビングへと戻ってきた
疲れたー、なんて言いながら……
ドカッと座るソファは
このリビングに合うようにと新調された物
コーヒーを淹れ
カップを持ちながら、大智さんが座る
ソファの前のテーブルへ置いた
「ありがとう、凛さん」
大智さんの隣に座り
カップに口をつける
いつもと変わらない
昨日で終わりだと思っていたのに
これはきちんと説明してもらいたい
私が口を開く前に、大智さんが口を開く
「何から話そうか?」
大智さんの問いに私はカップをテーブルに置き、大智さんを見ながら
全部です、と言う
「ぷっ……全部か……。凛さん、顔が怖いよ、俺怒られたくないなー」
大智さんは何だか楽しそうだ
それでも私とちゃんと話そうと
大智さんもカップをテーブルに置き
きちんと私の方を向いてくれた
怒らないで聞いてね?
そう言って、大智さんは話し始めた