誰にでも優しい上司に困惑
ビーフシチューが出来上がるまで
私と大智さんは、仕事の話をしていた
仕事がおわっても?と思ったけど
思えば私と大智さんはそれ以外の接点はないし、お互いの事をソレしか知らない
「うちも中古販売とか、すりゃいいのに」
大智さんは、前から言っていた
修理に入る車もあれば
事故車の引き取りもある
殆ど直すけど
入れ替えした方がいい車だってある
ただ、それには様々な問題がある
何よりも中古販売する人員がいない
基本、大智さんと私がメインだ
細川さんは経理
外崎さんは保険
中古販売するなら誰かに入ってもらわないと無理だ
『社長は雇うって選択はないみたいです』
今でも結構人手が欲しいくらい
だけど、人員を増やそうとは思わないらしく、人手が欲しい時は社長も車引き取りや納車に行ってくれる
「え?増員なんて必要ないよ、俺と凛さんでやればいいし」
……はぁ?
わ……わたし?
『ちょっ……ちょっと待ってください!ただでさえ忙しいんですよ?』
外に出てる事が多い大智さん
私がどれだけ忙しいのかわかってない