誰にでも優しい上司に困惑
私の事情



大智さんは今日のこと…を社長に伝えると、仕事が終わり次第実家へと帰って行った


外崎さんに食事を誘われたけど
そんな気分にもなれず、帰宅することにした


駐車場に車を停めた時
私のスマホが鳴る


画面を見れば、久しぶりに見る名前だ



『お久しぶりです』



そう電話に出れば



「元気にしていたかい?凛花」



『はい……半年ぶりですね』



「ああ。凛花、いつもの部屋に泊まってる」



それだけ言って電話は切れた

正直、そんな気分じゃない
彼は私に何があったなんで知らない
今までのことだって
1度も話したことはない


私から彼に連絡することはない
連絡しても……意味がないから




切ったばかりのエンジンをかけ
私は車を走らせた



行かなきゃいけない理由はない
彼は……不定期で私に連絡をしてくる
私の予定なんて関係なしに




「初めまして、開発部の松川です」


初めて出会ったのが5年前
当時勤めていた会社で知り合った
私は総務部にいて、色々な部署の人と話す機会が多かったが、ちゃんと自己紹介をされたのは松川さんだけだった
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