誰にでも優しい上司に困惑
「俺さ、彼女はいたよ。けど正直さ一緒にいても彼女の気持ちに応えられないんだよね。何ていうか……束縛?」
束縛?
ちょっと考えてみたら
その意味がすぐわかる
『大智さんって、女友達がおおいじゃないですか?私が思うに女友達と彼女さんへの扱いっというか、接し方が一緒なんじゃないですか?』
え?何がわるいの?…みたいな反応だ
『女って、私だけ特別扱いされたい生き物なんですよ?それが彼女なら尚更です』
そう言うと、そうなの?と
目をまん丸にする大智さん
「……は、凛さんも?」
『そりゃ、そうですよ!私だって女ですよ?特別扱いされたいし、私だけを見て欲しいもんです』
昔からそう……
私だけを見てくれる人が好きだ
安心するし、愛されてるって思う
そこで私の気持ちも相手に向けばいいんだけど、それが必ずしも向かない
「そっか……」
なんだか納得したみたいだ
って言うか、今更なのかと驚いてしまう
私達は止めていた手を
また動かし始めた