誰にでも優しい上司に困惑
『大智さん、毎回お友達の誘いを断ってるんですよね?私なら大丈夫ですから遊びに行ってくださいよ』
そう言っても
「大丈夫だって、俺が行きたくないだけ」
そういうけど、それでも……
毎日のようにスマホが鳴っている
しつこい勧誘かってくらい
それくらい大智さんは人気者なんだ
『私のことは気にしなくていいのに…』
そう言っても、何度言っても
大智さんは遊びに行かなかった
大智さんと同居生活が3週間過ぎた頃
修羅場……というか、事件が起きた
それは天気がいい冬晴れの日
私と大智さんは買い出しに出かけていた
食材の他にお酒や生活用品も
大智さんが買っていた予備が
無くなっていたから、荷物が多い
大智さんが大型のカートを押し
私はリストアップしたメモを見ながら
多分、他人から見たら
同棲カップルや新婚夫婦にでも見えるんだろうが、全く違う
買い物が終わり、車に荷物を積んでいた時
「あれ?大智くんだ」
可愛らしい女の子三人組
大智さんのお友達だろう
フリフリとスカートを揺らしながら
ぷっくりと…いや、ベッタリと塗ったグロス、バサバサなまつ毛……が近寄ってきた