誰にでも優しい上司に困惑
「あんた……何様?マジでうざいよ」
初めて見た大智さん
顔が笑ってるのに…かなり怖い
けど彼女は負けじと反発する
「わ、私は萌の友達として……」
萌?と思った瞬間
大智さんはわざとらしく大きなため息をついた
「友達……ねぇ、なら知ってるだろ?俺とは終わってるの。だから俺が何しようが誰といようが、あんたには関係ない」
そう言って、私の肩をグイッと引き寄せ
大智さんは車へと歩き出した
車に乗り込もうと、大智さんが私から離れた時、「ちょっと、あんたっ!」
振り返れば、バシッ……と
立体駐車場に響き渡った
「あんたが萌から大智さんを奪ったんでしょっ!!ドロボウ猫!人の男とって楽しいわけっ!?」
何がなんだか、わからない
なぜ彼女から、こんな事を言われなきゃならないのか…
叩かれた頬がジンジンする
バサバサまつ毛の彼女の右手が
私の頬目掛けてきた……が、
「てめぇ、いい加減にすれよ」
大智さん……
貴方が悪いんですよ、
私なんかをかまうから……