誰にでも優しい上司に困惑



ウトウトしていた……
その時、玄関が開いた音がした


大智さん、帰ってきたんだ
そう思っても、眠たさが勝ち
起き上がることも、時計を見ることもできずに、そのまま眠りについた



そのまま朝まで眠りにつきたかった
けど、私の頭に何かが触れていた



んっ……



起こしちゃった?



そんな声が聞こえてきた
その問いに答えたか定かじゃない
けど、気がついたら
何かに包み込まれるような感覚

それが苦痛とも感じられない
いや、居心地が良く思えてしまう


ちょっと位置が悪く
クネクネと、自分の位置を探し
そこに自分の身体を埋めた



「ふっ……、可愛い」



そう聞こえた気がしたけど
その時には既に寝入っていた




朝、目がさめると
やはり私は一人で寝ていた


……夢か、

そう納得して部屋を出れば
大智さんはリビングにはいない
多分、寝てるんだろう
昨日作って置いた夕食は綺麗に食べたのだろう、食器は洗ってあった


昨日は遅かったんだろう、
大智さんを起こさないように
朝食の準備を始めた
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