好き、でした (完)
2人で、帰る道は…なんだか嬉しかった。

瑠李には、悪いけど…やっぱり好きだ。

実感してしまうだけ。

なら、諦めるのを止めて言ってしまおうか…?

ううん、それはダメ。

瑠李と私は親友だから…っ。

「いらっしゃいませー」

店員の明るい声で、思考が遮断された。

「ねえ、何買う?」

「え、?アイスじゃなかったの?」

「俺はね?杏ちゃんは?」

「私は…んーー、じゃあ私もアイスかな」

なんとなく、一緒にしたかった。

「お、いいね!俺、抹茶かな」

「私も、抹茶なんだけど…」

「まじか!!気があうのかもな!俺ら」

ーズキン

こんなこと、言われて嬉しいはずなのに心は痛い。

でも、今日だけ…今日だけ。
< 16 / 38 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop