You…
しかし、晃は…。


「…嫌だ」


晃の背中から、呟くようなそんな声が聞こえた。


「…え?今…“嫌”って言った?」


って、そんなわけないよね。

今まで、面倒くさいあたしの悩みも聞いてくれた晃。


たぶん、あたしの聞き間違ー…。


「嫌だ。奈々が自分で先輩に聞けよ」


返ってきたのは、思っていたのとは違う言葉だった。


“自分で”って、それができたら相談してないよ。
< 122 / 437 >

この作品をシェア

pagetop