強引同期が甘く豹変しました
焼鳥屋のあとは、カラオケにハシゴ。
康介と別れたとはいえ、テンションは高かったし。
変にしんみりするのは嫌だから、私も紀子もバラードの選曲は避けるように、明るいアップテンポな曲ばかりを歌っていた。
ふたりしかいないのに、バカみたいにはしゃいで騒いで。
飛んで跳ねてモノマネして…。
30歳目前で、ほんの少しだけ傷ついた心を隠しながら、明るく笑い続けた。
散々歌いまくっていると、気がついたら時刻はもう、深夜の三時。
さすがに三時にもなると、私にも紀子にも睡魔が襲ってくる。
どちらともなくそろそろ帰ろうかという雰囲気になると、私たちは会計を済ませカラオケをあとにした。