強引同期が甘く豹変しました


急いで着替えを済ませると、リビングは覗かずに私はそそくさと部屋に引っ込んだ。

だけど、美容液を塗ってフェイスマッサージをしても、髪を乾かし終えても。

…あいつ、もう寝たのかな。

何故か矢沢のことがずっと気になってしまっていた。


っていうか、昨日勝手に寝てた私が思うのも何だけど。
寝るなら寝るって言ってから寝てほしいよね。

…あぁ!もう!

スッと立ち上がった私は、スパッと頭を切り替えて部屋を出た。

廊下を進み、リビングのドアを開ける。

すると、白いソファーの上で横になって眠っている矢沢の姿が見えた。


起こさないように、そっと近づいていく。
矢沢は小さな寝息を立てながら気持ち良さそうに眠っていた。

っていうか、髪、ちゃんと乾いてないし。
何も掛けてないまま寝ちゃってるし。
寒くないの?風邪ひくよ?

キョロキョロとリビングを見渡し、掛けてあげられそうなものを探したけれど、そんなものは見当たらない。

私は仕方なく矢沢の部屋に入らせてもらった。

リビングと同様で、部屋の中のインテリアもモノトーンで揃えられていた。
カッコイイ黒のデスクに、革張りの黒のチェア。
ベッド脇の観葉植物が、いちいちオシャレだ。

あまりまじまじと見るのも悪い気がして、ベッドからさっさと毛布を持ち出すと、すぐにソファで眠る矢沢のところに戻った。


< 120 / 202 >

この作品をシェア

pagetop