強引同期が甘く豹変しました
急いで着替えを済ませると、リビングは覗かずに私はそそくさと部屋に引っ込んだ。
だけど、美容液を塗ってフェイスマッサージをしても、髪を乾かし終えても。
…あいつ、もう寝たのかな。
何故か矢沢のことがずっと気になってしまっていた。
っていうか、昨日勝手に寝てた私が思うのも何だけど。
寝るなら寝るって言ってから寝てほしいよね。
…あぁ!もう!
スッと立ち上がった私は、スパッと頭を切り替えて部屋を出た。
廊下を進み、リビングのドアを開ける。
すると、白いソファーの上で横になって眠っている矢沢の姿が見えた。
起こさないように、そっと近づいていく。
矢沢は小さな寝息を立てながら気持ち良さそうに眠っていた。
っていうか、髪、ちゃんと乾いてないし。
何も掛けてないまま寝ちゃってるし。
寒くないの?風邪ひくよ?
キョロキョロとリビングを見渡し、掛けてあげられそうなものを探したけれど、そんなものは見当たらない。
私は仕方なく矢沢の部屋に入らせてもらった。
リビングと同様で、部屋の中のインテリアもモノトーンで揃えられていた。
カッコイイ黒のデスクに、革張りの黒のチェア。
ベッド脇の観葉植物が、いちいちオシャレだ。
あまりまじまじと見るのも悪い気がして、ベッドからさっさと毛布を持ち出すと、すぐにソファで眠る矢沢のところに戻った。