強引同期が甘く豹変しました
「わーお、何それすっごい面白い展開なんだけど」
「何が?どこが?全然面白いとこなんてないでしょ!?」
昼下がりのランチタイム。
私は紀子と、会社近くのベーカリーカフェにいた。
二人でベーグルサンドを頬張りながら、たった今最近の諸々や昨夜のことを話し終えたばかりだ。
「面白いじゃん。結局そのまま朝までソファで寝てたんでしょ?二人して」
だけど何が面白いのか。
紀子はクスクス笑っている。
「っていうか何笑ってんの?そのおかげでこっちはカラダも変な感じだし、全然眠れなかったし…本当意味わかんなくて笑えないんだけど」
言いながら、はぁっと重いため息がこぼれた。
「ふふっ、凛子可愛い。こりゃ進展が早すぎて先が読めないな」
「進展って何?先も何もないでしょ…」
なんだか居ても立っても居られず、事細かに紀子に話したのはいいものの、それを聞いた紀子はそれはそれはやけに楽しそうで。
「で?朝までくっついて寝てたくせに、どうしていいかわからなくて?顔合わせられないからって何も言わずに先に出勤してきたってこと?」
「…そうだけど」
「ははっ。っていうかこんな話、今ついでにするべきじゃないんだけどさ。杉崎に聞いたんだけど、矢沢って昔凛子のこと好きだったらしいよ。入社一年目とか、そのくらいの頃」
「はっ⁉︎」
本当になんのついでなのか。
紀子はいきなり突拍子もない話をぶっこんできた。