強引同期が甘く豹変しました


「でも、男と女はいつどうなるかわからないからね?」

「紀子が言うと説得力あるわー」

「ふふっ、だよね。私もまさか杉崎と付き合うなんて思ってなかったしさ」

「だね。本当、いつ何が起こるかなんてわかんないのかも。男と女って」


紀子と杉崎の二人がくっついた時、それを身近で見ていた私は、本当に心からそう思った。

気を使わないでいい関係。
長所だって短所だって、お互いにわりとわかっている関係。
休みの日以外はだいたい毎日会社で顔を合わせる仲で。時々飲みに行ったり、話し込んだり。

だけど…そんな中で、次第に杉崎の心は動き出していて。

そして紀子もまた、一夜の出来事がきっかけとはいえ、そんな杉崎の気持ちを受け入れ、今ではすっかり男と女になっちゃって。

すごいよなぁ。でも、そういうのも悪くないのかもなぁって。

一から少しずつ関係を積み上げるよりも、出来上がった関係を、少しずつ色濃く変えていく。

そんな関係も、ちょっといいなって。二人を見ていると、最近ではそんな風に思うようにもなった。


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