強引同期が甘く豹変しました


「なっ、なんなのもうっ」


ケラケラ響く笑い声が、無性に癪に触る。
私と矢沢のからみがおもしろい?
知っとるわ!って、いずみ銀行くらい知っとるから知っとるって言ったんだ。


「サボらないで仕事してくださーい」


私はパチンと手を叩いてそう言うと、営業部と繋がるドアから総務部側のオフィスにさっさと戻った。

だけどこちら側のオフィスでも、何故かクスクスと笑い声がする。

その声の犯人は……紀子だ。
小さく肩が揺れているからすぐにわかった。

ったく、紀子まで…何がそんなにおもしろいんだか。


「さっ、仕事仕事」

独り言を言いながらドサッと席に着いた私は大量の書類を手に取ると、しばらくそのままパソコンと向き合った。


私の仕事は、会議資料などの文書作成や、契約書のリーガルチェック、社会保険関係の手続きや対応、内勤営業がリサーチしたデータ集計などだ。

営業部やシステム事業部の契約書を作成したり管理もする。

総務部といえば何でも屋なイメージだけど、まさにその通り。わりと何でもやっているのが現状だ。


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