強引同期が甘く豹変しました
でも、矢沢はどうなんだろう。
オムライスは、やっぱり普通にチキンライスの方が好きなのかな。
電話して聞いてみるか?いや、いちいちそんなことくらいで電話するのも…な。
いいや。わざわざ作ってあげてるんだし。
バターライスごときで文句言われる筋合いはない。
まだ少しイライラ感が消えていないせいだろうか。そう思うと、中は私好みのバターライスで即決だった。
それからキャベツとベーコンを使って簡単なコンソメスープまで出来上がり。
あとは矢沢の帰宅を待つのみ…だったのだが。
肝心の矢沢は、なかなか帰ってこなかった。
きっと、いずみ銀行との契約がとれたからやることもたくさんあるんだろう。
仕事だし、仕方ないよね。
グゥ、と鳴ったお腹に手を当てながらそう思うと、私は先にシャワーを浴びておくことにした。
まぁ、せっかく作ったことだし?
どうせなら、矢沢が帰ってきてから、出来立てを一緒に食べようって。
オムハヤシの卵は、加熱しすぎないくらいが丁度いいって思ってたから。
だから…なんか少しムカついてるけど。そこは優しさを持って、待ってあげることにしたのだ。
それで、改めておめでとうって言って。
買ってきたシャンパンを飲みながら乾杯して、一緒に食べようって。
そう思っていた……はずだった。