強引同期が甘く豹変しました
「はぁっ」
あんなにすいていたはずなのに。
どういうわけか、腹の虫も鳴かなくなってしまった。
オムハヤシとか、半熟とか…むしろもうどうでもいい。
「あーっ!もうっ!」
大きな独り言を吐きながら、私はボスッとベッドにダイブした。
「本当…何なの」
天井を見つめてそう言うと、そばにあった枕を抱きかかえてギュウッと力を入れた。
ムカつく。あームカつく。
女が出入りするような家に、いくら短期間とはいえ簡単に私を居候させるなんて…頭おかしいんじゃない?
鉢合わせて気まずいのはこっちなんですけど。
行き場のないイライラ。
矢沢にぶつけたくてもあいつはまだ帰ってこない。
静かに…時間だけが過ぎていった。
ベッドの上で、一時間も二時間も。
あいつに文句を言うために。
矢沢の帰りを、じっと待ち続けていた。
それなのに矢沢は…
日付けが変わっても、帰ってはこなかった。