強引同期が甘く豹変しました


そして時計の針が0時を過ぎた途端。
私の中のイライラの炎は、一気に鎮火していって。

携帯を確認すると、重苦しい息を吐いた。


「何作ったの⁉︎うまくいった⁉︎」

紀子から、そんなメッセージが届いていた。

でも、肝心の矢沢からは何の連絡もない。



何で帰ってこないの。
まだ仕事してるの?
連絡くらい出来ないの?
帰りに事故に遭ったりしてないよね?

いつのまにか私のイライラは、何故か不安へと変わっていった。

もしかして、さっきの女の人と一緒にいる?
あの人、既読スルーされたとか言ってたし…。

ひょっとしたらあの後、仕事が終わった矢沢はあの人と連絡を取り合って、今ごろは二人でいる?

ぼんやりと携帯を見つめていた。

だけどその時。

手にしていた携帯が震えた。
それは矢沢からの、着信だった。


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