強引同期が甘く豹変しました
「あ、そうだ紀子」
「ん?」
「今日休みだしさ、杉崎と出かける予定とかあったなら気にしないで行ってきてくれていいからね」
今日は日曜日ということもあり、昨日に引き続き会社はお休み。
さっきは邪魔しちゃったし、二人きりでゆっくり過ごしてほしいという気持ちもあってそう言った。
「いいよ、特に予定なんてなかったし。出かけるなら三人で行こう?ね?杉崎」
「そうそう、変に気使うなって」
だけど紀子たちがこう返してきたのは想定内だったから、私は返す言葉を決めていた。
「いや、私今日予定入っててさ。夜まで帰ってこれないんだよね…」
予定なんてないけど。
全くもってないけど。
不動産屋にも行かなきゃいけないし、かといってすぐに部屋を探しにいくなんて言ったら紀子たちは気を使うだろうから。
「多分9時には帰ってこれると思うから。今日は二人でゆっくり過ごして、ね?」
私はニコリと笑って紀子と杉崎にそう言った。