強引同期が甘く豹変しました
何で寂しかったのかはわからない。
別に深い意味は、ないと思う。
それでも、同じ会社だから毎日顔は合わせるし。
お隣同士だから他部署よりも接する機会が多いし。
みんなで一緒にランチに行くこともあれば、同期会で飲みに行くこともあったし。
だから、存在はいつも近くて。
いつだって矢沢はわりとそばにはいて。
同期として、長年過ごしてきた。
本当にただの同期同士。言いたいことを気を使わずに言える、そんな関係だった。
なのに。何でだろう。
どうしてなんだろう。
矢沢が誰といようが、今どこで何していようが私には関係ないのに。
何でなんだろう。
どうしてこんなに、あいつのことばっか考えてしまってるんだろう。
っていうか。何で?
「何で…帰ってこないの」
シーンとした空間に、私の声だけが悲しく響いた。