強引同期が甘く豹変しました


いくら気まずいからって、公私混同して仕事中に周りに心配までかけて。

あぁ…自己嫌悪がハンパない。


「今日のランチの時は小島ちゃんとかもいたし聞けなかったけど。もしかしてケンカでもした?一昨日は、何作ったのってLINE送ったのに、凛子既読スルーだったし」


……既読スルー。


「そう。そうなんだよ、それ!それなの!始まりは!」

「びっ…いきなり大声になるからびっくりするじゃん」


語気を強めてそう言うと、紀子は急に何事かと目を見開いた。


「ごめん…とりあえず今から全部説明する」


私はビールをゴクゴク飲み、一つ深呼吸をして紀子に話し始めた。


一昨日の夜、何を作ろうか悩みながらスーパーで買い物したことも。
シャンパンとケーキを買って帰ったたことも。
半熟くらいが丁度いいから、作りたてのオムハヤシを食べてもらうためにあいつを待っていたことも。

風呂上がりに女が現れたことも、ヨシヨシと頭を撫でられたことも…矢沢が朝帰りしてきたことも。

昨日の朝のあいつとの言い合いも…
帰れなくてカプセルホテルに泊まったことも。

全部全部、一つ残らず紀子に話した。


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