強引同期が甘く豹変しました
何がおかしいんだ。
そういうことって、どういうこと?
何でそんなに笑ってるの?
ケラケラ笑う紀子を、私は黙って見ていた。
するとそれに気付いた紀子は真っ直ぐに私の目を見つめる。
「その女の人と一緒にいたとか、その人との関係がどういうものなのかってことを、矢沢の口からは聞きたくなかったんじゃない?凛子」
「えっ?な…んで私が」
「何でって、そういうことでしょ」
「そういうことって?」
「だからー、矢沢とその女の関係を、確信したくなかったってことだよ」
確信…したくなかった?
あの人と、矢沢の関係を?
「どうして私が?」
「ふふっ、さぁ、何ででしょう?」
紀子はそう言うとふざけたようにまた笑う。
何ででしょうって…何。
何でそんなにさっきから笑ってんの。
「全然…わかんないですけど」
「そのうちわかると思いますけど?」
いやいやいや、わからないから教えてほしいのに。紀子はクスクス笑ってビールを飲んでいる。