強引同期が甘く豹変しました

「まぁ、話は戻るけどさ。親にウソついたところで遅かれ早かれいつかはバレちゃうしっていう…凛子の気持ちもわからなくはないし」

「うん…」

「でも、素直に約束を守って田舎で見合い結婚するってのも何か違う気がするから。仮氏作戦は中止にするにしても、ちゃんと考えた方がいいよ？」

「…うん。わかった」

「よしっ！じゃあひとまず凛子の話はおしまい。次！私の話聞いて」


紀子はそう言うと浮かない表情を浮かべ、話を始める。


「あのさ、システム事業部の保険担当の子わかる？アイダユウリって名前の子、知ってる？ちなみに24歳」

「えっ？知らないけど。その子がどうかした？」

「杉崎がね、そのアイダさんって子のこと、可愛いとか言ってきて。ムカつかない？若いってだけでも負けた気になるのに、そこに可愛いまで付け加えられちゃうと完全にオコだよね」

「ははっ、オコって。紀子ウケるんだけど」


紀子の愚痴を聞きながら、ついつい笑ってしまったけど。

そんな杉崎の些細な一言でムカついちゃったり、愚痴りたくなったり。
いつからか紀子も、杉崎のこと大好きになっちゃったんだなぁって。

そう思うとなんだか紀子が愛おしくて、すごく可愛いく見えた。