強引同期が甘く豹変しました
「えっ?何で…待ってるの」
「何でって。もう22時過ぎてるし。昨日は連絡もしてこないで勝手に無断外泊とかしてくれちゃってるし」
「……うん」
「駅からマンションまでは近いっつっても、夜遅いと…女だし?一応一人歩きは危ないだろ」
矢沢の言葉に、トクン…と、胸の奥が鳴る。
「…大丈夫、でしょ。30前の…アラサー女だし」
「ははっ、何だよそれ。とりあえず待ってるから。今日は絶対帰ってこい。杉崎も帰ったし、中澤にも早く帰れって言っとけ」
矢沢はそう言うと、そのまま一方的に電話を切ってしまった。
私は耳元からそっと携帯を外すと、数秒…考えた。
「ねぇ紀子……そろそろ、帰ろ…っか」
「え、でもまだビール残って」
「うん、だからこれ飲んだら。帰ろう!」
考えて、紀子にそう言ったんだ。