強引同期が甘く豹変しました
あれは偶然か、必然か。
考えてみたら、あの日偶然不動産屋の前で永井を見つけた時、何故かすぐにあいつの表情でピンときたもんがあって。
同棲してた彼氏となんかあったか?
ひょっとして別れたか?なんて悟った瞬間、もしかしたら…これって後者の方なのかもって、なんか勝手にそんな風に感じてた。
会社では毎日顔を合わせてても、この広い東京の街で、偶然休みの日にバッタリ会うなんて。
思い返してみても、今まで一度もそんなことはなかった。
だから尚更、やっぱ必然的に会っちゃったんじゃね?なんて。
随分都合良く解釈して、あの瞬間、絶対にそうに違いないって、勝手に思った。
そしたらなんか、ずっと秘めてた…抑え込んでた何かが急に溢れてきて。
断わられるのは覚悟で、部屋探しを手伝ってやるなんて理由をつけて。何年ぶりかに、あいつをメシに誘って。
そしたらそこで、何であの頃避けられていたのか、その理由が何だったのかを知ることになり、知ったら知ったで、すっげーバカらしくもなった。
一時は距離を置かれて話も出来なくて。
モヤモヤしたまま、なんとなく時の流れに身を任せて。
そしたら自然と、いつからか普通には話せるように戻って。
でも、メシに誘っても20連敗。
何なのマジでって。あいつにイライラする気持ちも増えていた。
だけど。もう避けられるようなことにはなりたくなかったから。
聞きたいこと、言いたいことはずっと胸の奥にしまいこんできた。
毎日それなりには楽しかったし。
あいつがいて、他の同期たちがいて。
仕事して、今日もお疲れ様って言い合って。
笑って、また明日って。
そんな日々を送れる毎日が、結構好きだった。