強引同期が甘く豹変しました
すると次の瞬間、矢沢は真面目な声で言った。
「こいつの30歳の誕生日までには入籍して、年内には、式も挙げようと思ってる」
って……えっ⁉︎
誕生日までに…入籍⁉︎年内には式を挙げる⁉︎
なにそれ⁉︎
そんな話してた⁉︎聞いてないんですけどっ⁉︎
「や、矢沢?ちょっと話が早」
慌てて口を開いた。
だけど矢沢は、私の言葉に重ねるように続ける。
「って言っても、まだ永井の両親には挨拶出来てないから」
急すぎる話に、心はついていけてない。
でも、矢沢の真剣な横顔を見て…私はその言葉を黙って聞くことにした。
「こいつの親にきちんと挨拶して、結婚を認めてもらえてから、細かいことは進めていこうと思ってる。ちゃんと決まったら、また改めて報告します。あ、そうそう、結婚式の余興はおまえらに頼むからな!よろしく!」
矢沢はそう言うと、隣から私を見下ろし、なんだか照れくさそうに笑った。
そんな不意打ちのはにかむような笑顔に、思わず胸がキュンとなる。
矢沢のことを、可愛い…なんて思ってしまった。