強引同期が甘く豹変しました
だけどそんな私の考えは、かなり甘かったらしい。
「えっ?俺、結婚する気はないよ。
悪いけど、結婚に夢とかないんだよね」
は…い?
面倒くさそうな康介の顔と、明らかに低い声のトーンがやけにリアルだった。
浮かれていた私は一瞬にして、無情な現実と向き合うことになる。
一年の交際期間を経て、同棲を始めて二ヶ月。
その同棲相手、須藤康介から返ってきた言葉は、私が望んでいた言葉とはあまりにも掛け離れていた。
「凛子には申し訳ないと思うけどさ。俺、結婚とかマジ考えられないんだよね。みんな何のために結婚すんのかもよくわかんねーし」
欲しかったのは、そんな言葉じゃないんですけど。
違う。全然違う。
思っていた展開と違いすぎる。
同棲しているくらいなんだから、きっと康介も私との将来を考えていると思ってたのに。
これは悪い夢だろうか。
康介は、私との未来なんて見ていなかったらしい。