強引同期が甘く豹変しました



「よしっ」


部屋に戻って出社の用意を済ませた私は腕時計を着けて時間を確認した。

よし、8時ちょうだ。

カバンを手にすると、矢沢のいるリビングに向かった。


「お、用意できたか」

「うん」

「じゃ、適当に座って」


四人掛けのダイニングテーブルに座っていた矢沢は、そう言いながら立ち上がるとカウンターキッチンの中へと入っていく。


「コーヒーって、確か砂糖なしでミルクだけだったよな」

「あぁ、うん!砂糖はなし!ミルクだけ」

「了解、ちょっと待ってて」


そんな返事が聞こえたので、私は言われた通り待たせてもらった。

五分ほどすると、キッチンからピーッという機械音が鳴り、それからすぐ矢沢がトレー片手にキッチンから出て来た。


「適当な朝飯だけど」


そしてそう言うと、テーブルの上に矢沢が運んできたトレーが置かれた。


良い加減に焼かれたトーストと、ベーコンエッグにサラダ。

そのサラダには、レタスに…水菜?それからトマトも乗っている。

コーヒーカップからは、ふわふわと湯気が立ち上がっていた。


そっとカップを手に取った私は、それを口に一口運ぶ。

あぁ、美味しい。しかも苦さがちょうどいい。

コーヒーの香りに包まれていると、なんだかとても幸せな気分になれた。


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