ふたり








☆ヒメside☆





「じゃあ今日の放課後部活で!
わざわざ貴重なお昼休みを取ってもらって助かりました!

ありがとうございます!」





わたしは元気な後輩を見送り、溜息をついた。

…告白はやっぱり、あの人以外だと疲れますね。

あの人だったのなら、とても嬉しいはずですのに。





「……あれ?」


「どうされましたか?」




わたしは曲がり角で立ち止まる後輩に声をかけました。

後輩は辺りをキョロキョロし、頭を掻きながら振り向いた。




「多分見間違いです」


「見間違い、といいますと?」


「いや……。
さっきマサキ先輩がいた気がして。

多分気のせいです!それじゃ!」





走って行く後輩を眺めながら、後輩の言葉を思い出す。

…マサキが?

どうしてマサキが目撃されるのでしょうか?






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