ふたり







マサキはわたしの隣に住む、幼馴染。

制服よりジャージ姿が似合う、スポーツ系。



サッカー部のエースとして、試合では大活躍している。

たまに試合を観に行くと、必ずシュートを決めている。

サッカーだけでなく、その他のスポーツもマサキは軽々とやってみせる。

体を動かすことは基本苦手なわたしにとって、マサキの運動神経は羨ましいものがありますね。

…まぁその分、勉強は苦手のようですが。





わたしの朝は、マサキと共に登校する所から始まる。

本当は毎朝セットしている目覚まし時計を止める所から朝なんでしょうけど。

マサキに「おはよう」と声をかけるのが、毎朝の日課であり、朝の始まり。




そこからは話をするのが上手で、話すのが大好きなマサキの話を聞きながらの登校。

口下手で話題に乏しいわたしですから、マサキの話はとても興味深いこと。

流行に疎いわたしですから、今クラスメイトの話に入れるのはマサキのお蔭。





今は“幼馴染”で、毎朝登校が小学生からの日課ですけど。

…高校を卒業したら、どうなるのでしょうか?



わたしはこのまま美術を学びたいと思っているから、美術大学への進学を希望している。

だけど近所にはないため、独り暮らしになってしまうだろう。

両親も2つ上の姉も先生も理解し、むしろ応援してくれていますけど。




実際わたしは進路希望用紙に、美術大学の名前を書けないでいた。

自信を持って書けないのは、マサキと離れることが決定してしまうから。

マサキの進路を聞いたことありませんけど、良いのでしょうか?




マサキはわたしのこと、何て思っているのでしょうか?

ただの近所に住む幼馴染でしょうか?






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