ふたり

……それだったら、少し寂しいですね。

わたしにとってマサキは、それ以上の関係になりたいと思っている相手なのに。




先ほど後輩に言った、“見ていて癒される、可愛らしい方”とはマサキのこと。

わたしは初めて会ったあの日から、マサキのことが好きだった。

ずっと今まで、マサキと幼馴染以上の関係になりたいと思っていました。




マサキは気持ちを表に出すのが苦手で、周りから勘違いされることが多い人ですけど。

実際はとても優しく、お人好しな他人想いな方なのですよ。

カオルさんはよくわかっているからこそ、マサキと一緒にいられるのです。

…まぁあの性格だから一緒にいるのでしょうけど。




マサキの隣にいると、わたしは自然と癒されてきた。

最初は隣にいるだけだったのに、いつしか“見ているだけ”でも癒されるようになっていた。

そしてマサキは、とても不器用で可愛らしい方。

誰も見ていなくても誰かのためになれる、優しくて可愛らしい方。

もっと素直になれば良いのにと、何度わたしがじれったく感じたことか。





……マサキ。

わたしはマサキが好きです。




マサキの恋愛話は聞きませんけど、好きな方はいるのでしょうか？

マサキの隣を独り占めする、誰かが現れるのでしょうか？

…少し嫉妬してしまいます。

いつかはわたしも、傍にいることは叶わなくなってしまうのに。





前からずっと想ってても偉くはない。

人気なんて、出ないでくださいね。





いつか、想いを伝えられたら。





わたしはそう、願ってやまないのです――。