ふたり
俺は食べかけの弁当を膝の上に置き直し、カオルと向き合った。
「ヒメが言っていたんだよな?
見ていて癒される、可愛い人が好きだって」
「ああ。
ちゃんとこの耳で聞いたよ」
「ヒメに同性愛の興味は?」
「ねぇと思う。聞いたことねぇからわからねぇけど」
「…ヒメが同性愛に興味を持っているかは別にして」
カオルは咳払いをし、再び疑問をぶつけてきた。
「ヒメはモテるよな?」
「ああ」
「異性にも人気だよな?」
「……ああ」
事実なので渋々頷く。
人気なんて、出なくて良いのによ。
「ヒメが1番仲良い異性は、誰だ?」
「……さあ」
「僕が思うに、マサキだと思う。
マサキだけ呼び捨てだろ?」
……それはそうだ、その通りだ。